マイホーム借上げ制度とは？

マイホーム借上げ制度とは

マイホーム借上げ制度とは、「JTI（一般社団法人移住住みかえ支援機構）」が実施している制度です。

50歳以上の方が所有するマイホームをJTI経由で貸し出すことで、所有者に賃貸が支払われる仕組みです。

終身型と期間指定型の違い

マイホーム借上げ制度には「終身型」と「期間指定型」の2種類があり、それぞれ制度の内容が異なります。

• 終身型：利用者が亡くなるまで継続して借上げ
• 期間指定型：期間を指定して借上げ

終身型の場合は、貸し出す物件が賃貸可能な状態であることを前提に、利用者が亡くなるまで継続して借上げできます。

期間指定型の場合は、前もって期間を指定することで、その期間だけ借上げできる仕組みとなっています。

マイホーム借上げ制度を利用するための条件

マイホーム借上げ制度を利用するためには、次の条件を満たしている必要があります。

• 50歳以上の日本人であること
• 共有所有者全員がマイホーム借上げ制度に承諾していること
• 借上げする住宅の所有権・借地権を有していること
• JTI指定の建物診断を受けること
• 住宅が事業用として使われていないこと
• 建築基準法や建築基準関係規定に基づいた住宅であること
• 住宅に抵当権が設定されていないこと

JTIに借上げを申し込む際、上記の条件が満たされているか審査があります。審査をクリアしなければ、マイホーム借上げ制度を利用することができません。

マイホーム借上げ制度のメリット

マイホーム借上げ制度ならではのメリットがいくつかあります。ここでは、制度を利用するメリットを詳しく紹介していきます。

空室でも賃料が保証される

マイホーム借上げ制度では、1人目の入居者が決定し、以降空室が続いたとしても契約した賃料が支払われます。

制度を利用しない、一般的な賃貸物件として貸し出す方法との大きな違いです。そのため、借上げ期間中は一定の収入が期待できます。

契約期間終了後はマイホームに戻ることも可能

期間指定型のマイホーム借上げ制度を利用する場合、期間終了後は借上げしていたマイホームに戻ることも可能です。

契約終了後に継続して別の人に貸し出すか、マイホームに戻れる選択ができるのは大きなメリットといえます。

入居者とのトラブルの心配がない

住宅はJTIを経由して借上げするため、入居者とのトラブルはJTIが対応してくれます。

そのため、大家としての業務の負担を軽減できます。

マイホーム借上げ制度のデメリット

一方で、賃貸物件として貸し出す方法と比べ、マイホーム借上げ制度のデメリットもあります。

以下で制度を利用するデメリットについて解説していきます。

相場より家賃が安くなる

デメリットの一つとして、不動産会社を仲介して貸し出すよりも、家賃が低くなることが挙げられます。

JTIが相場を考慮して家賃を設定しますが、オーナーの手取りは設定された家賃から15%差し引いた額となります。

家賃の見直しがある

借上げする住宅は3年ごとに見直しが入る決まりとなっています。退去する度に家賃が安くなることもあるようです。

そのため、マイホーム借上げ制度を利用するときは、契約時の家賃よりも年々安くなっていくことを考慮する必要があります。

貸主側の費用負担が発生する場合がある

JTI指定の建物診断を受け、新耐震基準を満たしていなければ耐震補強工事を行わなければ制度を利用することができません。

耐震補強工事を行う際は自己負担となるため、借上げする前に費用が発生する可能性も考えられます。

まとめ

マイホーム借上げ制度の概要と利用条件、メリットやデメリットについてご紹介してきました。

魅力的な制度である一方で、家賃の見直しや費用負担の可能性など、デメリットもいくつかあります。失敗しないためにも、メリットとデメリットをしっかり把握した上で検討するようにしましょう。